2010年度 公益性 公平性を念頭に

2010.04.27

  2010年の第一回定例区議会が終わり、新年度がスタートしています。大田区では、今年度の人事異動の方が1100人?ほどもいたらしく、庁内報を読んでその多さに驚きました。約4.5人くらいに一名でしょうか?新しい部署に慣れるには、少し時間が必要でしょうか。
私も公務員をしておりましたが、教育現場と区役所では少し違うと感じました。

  松原区長は、2007年度188億円、2008年度242億円と、2年間で基金を430億円積み増し、2008年度末の基金総額が1010億円になったが、これは、予想もしない長い景気低迷に備える大きな安心と受け止めていました。
 2010年度予算では、経常的経費をゼロベースで見直し75億円の削減をおこなったと発表していたが、その中身を見ると次の結果でした。
●    昨年度積み立てた公共施設整備資金26億円を2010年度は積み立てなかった
●    経常的経費から義務的経費区分に振り替えた私立幼稚園保護者負担軽減補助12億円
●    政務調査費1.8億円
●    政策的経費区分に振り替えた「おおたっ子広場」などの児童館運営費8億円
●    これらの経費と、その他もろもろ含めた額を差し引いた実質見直し額は19億円
 
それでも19億円余という額は多額。その内訳は施設管理運営費5億円や、社会福祉協議会の運営費1000万円など。これは、区役所を上げての財政の見直し。特別区税と特別区交付金あわせ107億円もの減収に対処するためと受けとめました。

  しかし、その一方で、政策的経費を前年度52億円から58億円増加の110億円とした点に私は矛盾を感じました。政策的経費がいかに区長の権限とは言え、区の独自政策に使える主要な財源である特別区民税が2009年度から2年連続のマイナス計上の時に、政策的経費を大幅に増やしたからです。2011年度は特別区税、特別区交付金ともに、更なる税収の落ち込みが予測され、基金取崩し額は、2010年度以上に増えるのではないのでしょうか。
 景気回復が思わしくないから、区民サービスを後退させないという考えがありますが、108億円と思い切った基金の取り崩しをするとき、どの事業にどう予算を配分するか、財政の長期的展望と優先する根拠、事業の公益性が担保されていたのでしょうか。

  例えば、羽田空港国際化事業6362万円。かつて、羽田空港新B滑走路供用開始のとき、国土交通省が式典を主催していました。
 大田区が6362万円もの単独の予算を組む必要性があったのか。事業が単なるイベントに終わってしまうことはないのか。ましてやこれほどの多額を計上し、この事業が国際化や地域経済の活性化にどのように寄与するのか。
 昨年度より大幅に縮減された事業内容では、実績による見直しと言う理由がとても多い。例えば「ひとり親家庭へのホームヘルパーの派遣」など、事業内容さえ知らない世帯もあり、周知されていなかったのです。必要で立ち上げた事業なら事業を実績で均一に見直すのではなく、何故その事業の実績が向上しなかったかと、その調査をして活用できるようにすべきです。

  その意味でも補助金交付のあり方を整備すべきことを主張しました。
 173事業93億円の補助金交付が事業化されている大田区です。
 「公益上必要がある場合にこれを助成するために交付する」と地方自治法232条の2で規定されている補助金交付ですが、その優先順位を公益性、公平性、透明性に基づいて決めていくことを述べました。
 歳入で取り上げた都区財調の特別区交付金に、東京都と各区の垂直調整において、交付基準が明確にされていない特別交付金の交付5%があり、ブラックボックスとなっているのです。都区財調の1%は、例えば160億円にも相当するような額です。このままの数字では、都と区の対等な関係を維持する仕組みとは言えません。税金の使途にあたっては、交付基準の明確化が必要だと考え、この問題は、款別質疑の「歳入」でも取り上げました。
 また、事業が既得権化することのないよう、事業の執行を検証する場を求めました。

  教育については、障害児の普通学級への入学、就学通知を取り上げました。
 大田区は障害児の小学校就学にあたって、まだ十分に門戸を開いているとは言えません。23区の障害児の就学調査をしたところ、障害があるけれど普通学級を希望する児童の受け入れに対し、大田区は23区でただ一区、付き添いなどの確認書を保護者に書かせているのです。教育委員会では「学習特別支援員の配置」として4558万円1000円を計上していますが、これは、普通学級に在籍する発達障害等の児童生徒のサポートに活用されます。障害児だけは保護者に確認書を書かせ、付き添いなどをさせることは、もう見直すべきです。子どもが学校で学ぶ理由に、親からの自立や同年代の集団との関わりがありますが、常に教室の後ろに親がいては自立できないからこそ、支援員などを配置しています。また、25日現在でもまだ就学通知をもらっていない親子もいるのです。とても義務教育とは思えない実態です。政府が高校無償化を実施するそうですが、本来であれば義務教育の無償化こそ優先すべきであり、どこの学校に入学しても適切な教育支援を受けられることは、義務教育の責務なのです。
 また、2011年度から本格実施される新学習指導要領に備え、移行措置や新たな教材購入などが行われておりますが、特に影響を受ける中学2年生へ見守りが必要です。制度移行の狭間での学びなどのつまずきが、形を変え不登校などに表れることもあるからです。
 生活保護が23区で一番多い足立区では、不登校や高校中退の子どもたちが、学び直しの受け皿がなければ生活保護受給予備軍になりやすいとして、学び直し事業を実施するそうです。
 教育委員会では不登校を未然に防ぐためのメンタルヘルスチェックが行われますが、子ども達は、学校では相談しにくく、カウンセラーの利用場所なども考慮すべきです。
 また様々な理由で夜間学校を選んだ生徒を支援する日本語学級の設置なども検討し、全ての生徒の学びを支えるべきです。特に高校中退者が増え続け、その生徒たちの居場所や受け皿作りが急務であり、次世代育成支援の観点から部を超えた連携をしていくべきです。

 教育は1年、2年という長い時間軸でじっくりとクラスの子ども達の成長と向き合います。
 一方、役所の職員は、地域や窓口、そして電話等で、常に新たな区民と接し、様々な課題も迅速に解決を求められると同時に、配属されたあらゆる部署の仕事も熟知しなければなりません。

  さて、私は、2010年度一般会計に反対しました。討論の主な内容を掲載します。区長の予算編成、教育の2点から反対討論を行いました。

  でも、次に続く人間を育てなければ機能しないという点では同じです。公務員として公平な視点で仕事をすることが区民や子ども達の幸せにつながることは、忘れてはならないと思います。

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