地方自治法の一部改正 おおいに問題!政務活動費!?

2012.10.19

特別区議会議長会に地方自治法改正に関わる「政務活動費」について意見を提出しました。

この度の地方自治法の一部改正は、「大田区議会議員の区政に関する調査研究に資するため必要な経費の一部として政務調査費を交付する」とした政務調査費の交付に関する条例を大幅に後退させる、大変憤りの多い法改正です。法律審議中から国民の危惧の声が表明されておりましたが、その声を無視し修正案の十分な審議もせず議決してしまいました。

これまで調査や研究に限定してまじめに政務調査費を支出してきた地方議員の議員活動に対し、何故国会議員が調査や研究とは別の「その他の活動」などという使途不明確な政務活動費とする法改正をしたのでしょうか。

まず、この度の法改正は見直すよう特別議長会自らが国へ意見書を上げるべきです。

更に、各議会に「政務活動費の条例改正に関する全員協議会」を設置し協議した上で条例改正を行うよう働きかけなければならないほど、区民に説明のつかない後退であると受け止めます。

これまで全国市民オンブズマン連絡会議が政務調査費の使途を調査してきましたが、住民監査請求や住民訴訟で不適当な支出であると返還を命じられた政務調査費が後を絶ちません。全国で提訴された住民訴訟は70件を超え、そのうち47件の判決で支出の一部が違法と認定されています。

しかも住民訴訟の争点は、支出が地方自治法で定める「議員の調査研究に資する支出にあたるか、当たらないのか」だったものが、「その他の活動」を加えることにより、裁判所で違法とされた支出が「合法」になる内容を含み、不適当な支出や不透明さが免罪される危険性の改正であることを申し述べ、意見を提出しました。

 

地方自治法100条14項では、「政務活動費を充てることができる経費の範囲について、条例で定めなければならない」とし、「政務調査費の使途基準を規則で定めたものを条例で定めること」と規定してあるが、第2条に特別に政務活動の範囲を規定することは、この規定が、政務活動費の使途基準を超えてしまうおそれが生じやすく、その結果、政務活動費は、政党活動、後援会活動などの選挙活動等を除く、会派活動及び議員活動のすべてを使用対象にすることとなり、議員の「第2給与化(第2報酬)」になってしまうおそれがあります。

 

会派活動の規定で、「住民意思の把握、広報広聴活動等を主体的に実施する・・・」とあるが、この規定が非常にあいまいでどのようにも解釈され運用できるので削除するべきと考えます。

別表第1には

資料作成費、資料購入費、人件費、事務所費など多くの費目で「その他の会派の活動のために」とあるが、これは削除するべきです。従来から会派に対して交付し支出されてきたのに、何故敢えて「その他の会派活動」を入れるのか。このその他の会派活動という解釈が「政党活動」とみなされてしまうおそれもあるため削除するべきです。

今回の法改正では「付帯決議の3」に「政務調査費制度の見直しについては、議員活動の活性化を図るためにこれを行うものであることを踏まえ、その運用につき国民の批判を招くことのないよう、改正趣旨の周知徹底と併せ、使途の透明性の向上が図られるよう、特段の配慮を行うこと。」とあるように、使途基準については、具体的でなければならない。

また、「100条16項」には「議長は、第14項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。」とすると規定されており、政務活動費の使途について議長の調査権を明確に規定しべきであり、そのうえで区長あるいは議長のもとに審査会も規定すべきと考えました。。

現在大田区議会では、現在政務調査費はホームページ上では公開されていない。いつでも区民が見ることができるよう使途についてホームページ上で公開するべきであると考えます。

これは私の考えだが、おそらく全国で一番政務調査費の公開や領収書添付などの条例制定が進んでいるのは地方議会だと思う。その足元を掬い取るようなこの度の法改正だった。せっかく積み上げてきた政務調査費の使徒の明確化などをなし崩しにしてしまいます。

 

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第3回定例区議会終了 2011年度一般会計決算の認定に反対しました

2012.10.19

15日、第3回定例区議会を終えました。
この議会は昨年度の決算を審議する議会です。私は大田区一般会計決算の認定に反対しました。
2011年度は、おおた未来プランの実施に向け「大田区行政経営プラン」に取り組んできた最後の年でした。その柱には

「行政資源の有効活用による区民サービス」

「区民との連携による地域力の向上」

「職員力の発揮による組織の活性化」が置かれてきましたが、東日本大震災、福島原発の爆発という危機的な状況のなかで、自治体の役割、職員の果たす役割、自治体の考え、そして組織のトップの判断が多くの命を左右することを教えられた一年でもありました。

9月新たに「大田区経営改革推進プラン」が発表されましたが、「区民を顧客として捉え、徹底したマーケティングにより区民ニーズを把握し、「ヒト・モノ・カネ」の選択と集中を強化する」と記され、あの大震災の教訓よりも企業の経営方針でも見るような思いを抱いたのは私だけでしょうか。顧客はお金や対価を出して物やサービスを購入する人ですが、自治体においては受益者と負担者が一致しないことが多く、その上で区民を支え続ける仕事が、顧客という発想では大田区がプランに掲げてきた区民との連帯が育つでしょうか。

住民を顧客と位置付ける新たな公共経営の手法では、常に顧客を満足させるサービスを自治体が提供し続けなければならないジレンマに陥ります。

しかし税収が落ち込み、例えば生活保護受給者が行政経営プランの一年目に13420人が次年度では14800人に1380名も増加する時代には、事務事業の見直しによる負担者の不満の声などが、受益者である生活保護受給者へあがることも多いのです。

私は、区財政を区民に情報公開し、税の再分配による住民の福祉が自治体の基本という視点を常に区民と共有していけば、事業仕訳を外部委員に委託しなくてもいいと考えます。

区民は区長が提示した政策を共に遂行する自治体の構成員であり、だからこそ地域力、住民自治が育つのではないのでしょうか。東松島市の被災地支援は、国や東京都の指示が機能しないなかで、区と住民と一緒に進められましたが、そこに区民が顧客などという発想が生まれる余地はあるでしょうか。

更に、住民は一票を投ずる政治的委任者でもあります。昨年度、あの大震災のなか選出された区長に、住民は顧客としての一票を投じたのではないはずです。あの大震災を経て、何よりも安心して生活できるよう願いを込めていたのではないでしょうか。

それは、特に社会や行政の支援を最も必要とする方々の政策ともつながることです。

私は昨年わかばの家の一部業務委託に反対しました。発達障害児が増加し、幼児期の療育がその後の人生に大きな影響を持つことが認知されてきた矢先に、一部業務委託をすべきではないと考えたからです。発達障害者への認識がまだ十分とは言えない社会において、幼児期から18歳までの継続した取り組みが大田区では確立されておりません。行政が対応できる力量を高めることなく法人に指導ができるのでしょうか。区立幼稚園全廃が区全体の幼児教育や私立幼稚園教諭に与えた影響を忘れるべきではないのです。

また、はぎなか園の指定管理にも反対しましたが、障害者自立支援法の就労継続B型という仕組みがどんなに大変か。その日の体調によって通所が左右される障害者の通所日数によって施設運営が支障をきたすような制度は障害当事者、そして法人にとっても安心と言えないのです。障害当事者の議論による骨格提言をもとに障害者総合福祉法の制度化をこそ区も要望すべきです。

今日のように厳しい経済下では、生活に困窮し地域に受け入れられない方や家族と縁の切れた方が都市部東京に集中するため生活保護が増え、それは身寄りのない高齢者介護の増加へとつながっているのに、東京都の福祉費は目に見えて削減されてきました。

2009年3月、23区の要介護者を多数受け入れていた高齢者施設・「静養ホームたまゆら」の火災で多くが亡くなり、5月、23区区長会は石原都知事に「在宅介護の困難な低所得者向け福祉施策の充実」を緊急要望いたしました。10兆円を超える予算を持つ大都市東京でありながら、例えば2007年度老人福祉費は都道府県で全国最下位だったからです。それは都内自治体の福祉施策に影響を与え、税の基本である再分配が東京で十二分になされず、都内で介護できない高齢者を都外の施設へお願いするという構図を生みだしてきました。これが1兆円もの基金を持つ東京の実態です。

しかも東京都の特養整備割合は、65歳以上の人口10万人あたり1289人と全国で43位です。特養の運営費補助だけではなく用地補助費も廃止した石原都知事のもとで、大田区も影響を受け、施設整備費などの補助に取り組み、さわやかサポートの強化などに取り組んできたので、この度の介護の認定には賛成しましたが、東京都に対し福祉のあり方の見直しを強く要望しなければなりません。

この度の款別質疑で「障害者グループホームを館山に作ってはどうか」との他の委員の質問に対し「館山ではなく区内で」と明快な姿勢を示され安堵いたしました。

住み慣れた大田区で暮らし続けるため、限られた税収の有効活用と職員の力を本当に生かせるか課題と考えます。

特別区税収入2009年度721億、2010年度665億と落ち込んでいるなか、昨年は上場株式等の配当及び譲渡所得に係る軽減で、適用期限をまた2年延伸する条例改正を行い、所得のある者への軽減が進められ、昨年の区税収入は658億円と1.2%も減少しております。

しかもリーマンショックの2009年度、50億円余の減額補正を行ったと答弁されていたように、来年3月31日に終了する中小企業金融円滑化法が大田区内中小企業に及ぼす影響、そして消費税増税と、予断を許さない状況が待ち受ける時代が待っています。

過去10年間の元金償還1204億円のうち、利子償還だけで221億円、そして2011年度の元金償還86億円のうち、利子償還だけで10億7482万円と人件費削減分に相当。昨年度末の積立基金残高970億2640万円の運用に伴う利子収入は2億3022万円と、10億円の基金を積み立ててもわずか0.11%の利子と、いかに起債の利率が高いかを示しております。

区長就任後の特別区債発行額は2007年度8億5千万、2008年度7億、2009年度28億、2010年度21億、そして昨年度47億円と増え続けています。世代間の負担の公平との理由で大田区総合体育館のためのドリーム債6億5千万など含まれておりますが、ドリーム債発行の銀行手数料だけで242万5000円、そして2103万円の利子でした。今後、区債発行をできるだけ抑える方向性が求められます。

また、土地開発公社においても幹事行と現在1.625%の利率で協定書が結ばれていますが、中野区の例にみられるように支払利息の軽減に向けた対策が可能です。

また2004年から現在に至る土地に関わる取得額は195億円余、そしてこれまでの支払済み利息だけで4億3598万円余にのぼり、現在35か所の土地を所有しています。昭和20年に計画された補助44号線に関わる久が原地域の用地取得計画など本来は見直されるべきですが、いずれにしても支払利息を減らすため、買戻しまでの間、土地開発公社において賃貸など用地の有効活用に努める工夫をしていただきたいと考えます。

これら様々な部署をまたぐ情報をしっかり共有することが事業の優先順位を明確にできると考え経営計画の職員等の活用提案し続けてきましたが、職員の働きが地域を支えることを被災地が教え、今こそ、そこに学ぶべきです。

震災後訪れた仙台市で3つの清掃工場のうち直営工場で運営されていた工場の役割が大きく、仙台のがれき処理もスムースに進められました。巨大な地震で炉を早急に停止する必要があったのですが、炉内に大量のごみが残るため、1時間かけ完全燃焼させ無事に炉を停止したそうです。ベテラン技術者の力だと話していました。同時に名取川の決壊で逃げてきた被災者がかけこみ、本来避難所ではないのですが、宿直用の食料を分け合い過ごしたのです。

ところが清掃23区一部事務組合では、直営清掃工場の技術係の一部業務委託が進められようとしています。水銀含有の持ち込みごみにより5億円もの損害を出しているのに、その指導を行う搬入職員などを委託すれば、一般廃棄物処理業の許可をする区の事務、指導とも関わる問題であり、即刻中止すべきです。私は昨年、清掃一組の海外展開の問題を質問しましたが、一組では世界に誇る清掃技術を海外に販売するためとしながら、その一方で委託を進めれば、一体誰がどんな技術を海外展開できる能力を持つことができるのでしょうか。

清掃工場が災害時に果たす役割は非常に大きく、まさに都市の衛生を支える工場は直営で運営されるべきなのです。区はごみ量に応じ30億円もの分担金を出し、区内に2か所も工場がある自治体として、清掃工場の安定的な運営の視点、委託を進めないよう進言すべきです。

こうした災害時における公務員の役割をみるにつけ、大田区の職員の行き過ぎた事務事業適正化、非常勤職員1600名を超える採用、派遣労働者など、雇用形態が様々混在している状況をもう一度見直すべき時代と考えます。

保育園、児童館の委託が進められる中、区民の文化的な生活を支える事業など真っ先に委託されるなかで郷土博物館を委託しなかったことを私は評価します。

東松島の災害ボランティアなど経験を積んだ方が大田区の各地域で新たな活動を展開するなど、町会自治会だけではなく、様々な活動主体を区民が選んで活動できる場を広げることが、限られた受益者にサービスを提供し続けるというジレンマから抜け出すことはでないのでしょうか。

被災地の復興が遅々として進まず、放射能汚染に苦しむ住民をどう守るのか。自治体の仕事は決して企業経営のような感覚ではできない仕事であり、厳しい税収の時こそ職員の適材適所で力を発揮する組織づくりと財政運営が要です。そして、議会は海外視察ではなく、議会改革を推し進めるべきと訴え反対討論といたしました。

 

 

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