2015年度 大田区予算について

2015.03.14

第一回定例区議会が終了しました。
とても短い議会だったので、2501億円余の一般会計予算の審議も残念ながら十分とはいえませんでした。
2015年4月からこの予算で様々な事業がスタートしますが、以下何点かにわたり反対する点や意見を書きます。

2015年度一般会計予算
2015年度予算は「地域のちからで世界とつながり、だれもがいきいきと暮らせるまち大田区」がスローガンで、過去最大の一般会計予算でした。
首都直下地震への備え、耐震化や不燃化への取り組み
待機児解消や保育士の人材確保支援事業など子育て支援
生活保護世帯児童生徒の学習支援
特別養護老人ホームを矢口に新設
障害者の移動円滑化
そして、ようやく小中学校校舎改築は2校に着手

私が評価している事業の中に「虐待防止の支援策に伴う顧問弁護士の設置」があります。予算は決して多くはありませんが、大田区が専門家による相談体制を整備して、虐待を許さないと取り組んでいくのです。

また、大田区は区内で生活している外国人の方々を支え、多様性を認める政策を進めてきました。
社会が閉塞的になる時こそ、それぞれの違いを認め合う地域づくりが平和を支えると痛感します。

一方で、羽田空港跡地を活用した国家戦略特区についてこのまま進めることに不安を覚えると共に、再考すべきでと考えました。

特区は、政府が提示した規制緩和を進める区域指定であり、海外の企業にとって世界で一番ビジネスがしやすい東京をめざしています。羽田空港跡地を活用し大田区が参入することは、今後の経済動向からも大きな負担です。

跡地にはこれまでも約9000万円近い調査費用が注ぎ込まれ、更にこの度、成長戦略拠点形成として8636万円の予算が組まれました。そのうち「基盤施設の整備検討」4515万円ですが、「跡地内に整備する区画道路や多目的広場等について、都市計画の手続きを進める」とありました。この間、随意契約の特例や減額譲渡など跡地取得の方法が提示されてきましたが、誰が購入するかわからない、しかも区は具体的な方針を示さないまま、どうして都市計画の手続きを進めることができるのでしょうか。

また昨年、跡地の一部で戦前の所有者のままの登記があり裁判。
戦後70年経過してもなお48時間強制退去の歴史を引きずっている跡地。
羽田地域の方々の思いと寄り添い、10年後、20年後の人口動向を見据えるまちの計画こそ、優先すべきと私は考えます。

静岡県掛川市は、日本で初めて生涯学習都市宣言を行った自治体。
私は大学で恩師が社会教育の小川剛先生でした。先生とゼミや現場へ赴くなかで、社会教育の大切さを学んできましたが、地域の住民の学びを支える取り組みは、地域を豊かにしていくので、掛川の取り組みに学ぶところがあります。

市長は市民と直接対話。地域のどんなに小さな声も聞いて政策を作っていったようです。
だからこそ新幹線掛川駅の誘致・開業にあたって、市民から30億円にものぼる基金が集まったのだと思います。
「掛川市生涯学習まちづくり土地条例」というちょっと珍しい名前の条例は、開発優先ではなく住民が納得するまちづくりの視点。
とてもユニークです。

行政が住民の理解と協力を得る努力を惜しまないことが、まちを良好にします。
大田区の跡地利用も熟慮すべきだと思います。

さて、この度の一般会計予算は前年度より81億円増。地方消費税41億円よ、財調の交付金も41億円増。どちらも消費税増税の影響です。
しかしその分、大田区の消費税支出も増えます。
平成23年、消費税8%が議論にのぼったときに聞きました。
その当時はまだ消費税5%でしたが、およそ29億円の消費税を支払う大田区。
現在8%ですから、消費税の支払いももっと増えていきますので、増額分がほぼ消費税支払い分でしょうか。

大田区の消費税は147億円。そのうち社会保障財源分を63億8147万円。
臨時給付金があっても年金が実質減っており、高齢者の消費税の負担感が重い。

特別区交付金も地方消費税交付金の増加分が影響していますが、法人住民税の一部国税化により市町村民税法人分がマイナス4.9%と、今後の都区財調に影響がでていきます。
都区財調は景気の動向を反映しやすいのです。

大田区の特別区民税は、人口が6000人も増加していても前年比よりも伸び率が低調でした。
歳入に占める自主財源の割合も39.3%と、前年よりもマイナス2.1%という結果。
これを見ても決して区民の生活が決して上向いてないのです。
2014年度の予算では前年比21億円増でしたから、今年の8億と比べてよくわかります。

それに反して依存財源の株式譲渡所得割交付金や配当割交付金は大幅に増加!
昨年も急増でしたが、アベノミクスは、大手企業や株主等ごく一部への恩恵だとよくわかります。
国民の格差は広がる一方です。

だからこそ区民の安心とつながる自治体の事業が大事です。
確実に事業を推進するためには、まず大田区職員の定数を増やすべきです。
定数を増やすべきと言うことはずっと主張してきましたが、正規雇用と非正規は2対1のような比率なのです。

職員の平均年齢が40代を越えています。
特に技能労務職は51歳です。
世代間の経験の継承をはかることが職場の仕事効率を高め、区民サービスを充実させます。
区民が行政サービスに満足すれば、それは必ずや行政に還元されるのではないでしょうか。

さて、待機児解消のため36億円余の予算を計上!
ただし、国が法改正を行い認可園は園庭がなくても建設できることになってしましました。
用地が狭く園庭を設置できないため、公園を活用しているので、区立児童遊園などを乳幼児が利用できる園庭として再整備していくべきです。
子ども時代の運動や遊びがどれほど大切か!身体機能を高め、小中学生の基礎体力にもつながります。

4月から社会教育委員会の事務が一部区長部局へ移管されてしまいます。私はこの点も反対してきました。
大田区の社会教育が後退することのないよう祈るような気持ちです。

2014年度は大型イベントが続きました。それらが単発ではなく地域力にとして確実に積み上げられているでしょうか。時にイベントも必要ですが、日常業務とつながる取り組みを自治体は大切にすべきです。

教育委員会が所管した放課後子ども教室は、年度途中の10月議会で議決。しかも新規事業だったのです。これは一から作りあげ4月開始に間に合わせるため、担当職員はとても頑張ったと思います。
しかし、学校内の居場所の確保が困難で、例えばランチルームを活用する大規模校もあります。
全ての学校に放課後使用できる教室の確保が難しいため、教育委員会は学校長と今まで以上に連携が必要です。
しかも運営は会社が行うのです。

さて、川崎で本当に痛ましい事件が引き起こされ中学生が殺されてしまいました。
今、中高生の居場所が本当に少ないのです。
大田区では羽田地区に作りましたが、更なる居場所が必要です。

清掃事業については、水銀を含むごみを有害ゴミとして収集するよう議会で取り上げてきましたが、やはり有害ごみか資源ゴミとして回収を徹底しなければ、清掃工場の被害が何億円にもなってしまいます。
新設の大田清掃工場は直営ではなく残念ながら委託されましたが、危険な物質を扱う現場であり事故への備えのため、区は化学職の採用を清掃一組に求めていくべきです。

非婚のひとり親家庭への寡婦控除みなし適用を行ってほしいものです。
23区では4月から11区、そのほか中野区も取り組むそうです。

特別会計は国保、介護、後期高齢の3会計があります。
第6期では、介護保険料を15段階から17段階へ増やし、合計所得金額2500万円以上の方の基準額比率を3.2%にするなど、大田区は応能負担の原則へ近づける努力をしています
しかし、国は、介護報酬費を実質3.95%の引き下げ、更に特別養護老人ホームの基本報酬は、約6%の大幅引き下げ。
知り合いの親子3代にわたる社会福祉法人の理事長は本当に困惑しています。
人材確保が難しく経営が困難だと頭を抱えていました。
この先どうなってしまうのか。
報酬引き下げを前提とした介護保険料改定には賛成できませんでした。

更に第一号被保険者の負担割合を制度創設時の18%から、第5期には21%へ、この度の第6期では更に22%に増やしました。国は65歳以上の高齢者がサービスを利用するのだから「応益負担」という観点を導入し、負担割合を引き上げています。
この1%の負担増が、国民健康保険の均等割を一人あたり600円減額するという結果に!
介護保険・国保・後期高齢の特別会計が、相互に補完しあっているので、3つの特別会計に反対しました。

国保会計では一般会計から101億円の法定外繰り入れを行い、このうち64億円が財源不足分でした。大田区の国保会計の特徴は、60歳から74歳の前期高齢者が増加し、医療を必要とする世代であると同時に、高額医療費の支出が他区と比較しても多いため、不足分が多くなります。その結果、平成23年度の統計によれば、国保加入者一人あたりの法定外繰り入れは51289円と、大田区は全国の上位9位に位置していると分析があり、驚きました。
でも一般会計から繰り入れなければ保険料が驚く高さに!
全国の自治体を見ると、一般会計から繰り入れをしていない自治体もあったのです。

国民健康保険法では、国庫負担割合は100分の32と規定されていますが、いざ自治体に交付されるときには様々減額され、2015年度の国保会計の21%にすぎません。
国は、この法定外繰り入れが問題だとして2018年度から国保の都道府県での広域化を目指しています。
しかし、国庫負担を増やさないままの広域化は、保険料が低い都内自治体、例えば多摩地域などの新たな負担を招くため、国民全体の福祉と健康を保護するとはいえません。

国の公費負担割合を増やすことを全国から声を上げなければならないと私は思います。
そして、もう一点、大田区が全庁あげて健康に老後も過ごせるように、介護予防対策と健康政策の充実に取り組まなければと思いました。
医療費支出が少ない自治体の取り組みに学ばなければ!

最後に、戦後70年の節目、そして東日本大震災から4年の歳月が流れました。3.11追悼式典において、安倍首相はなぜ福島原発に触れないのでしょうか。
原発再稼働をしたいために、敢えてふれに野でしょうか。
昨年、伊吹衆院議長は「将来の脱原発を見据えて議論を尽くしたい」と述べられました。
故郷に帰ることのできない被災者は、いまだ22万9000人もいるのです。
大田区でも生活しております。

戦後70年。戦争は絶対にしてはいけないし、震災の記憶を風化させてはいけない。
政府が、何やら「周辺事態」ではなく「重要影響事態」を創設したいとか。
更に「国連決議がなくとも国際機関の要請で自衛隊の派遣を可能にする」と、とんでもないことです。

そして、原発再稼働も絶対反対です。

区民が安心して暮らすため、しっかり声をあげていきます!

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