第4次補正予算に込められた緊急経済対策・・・あれこれ

2010.12.10

 大田区議会第4回定例区議会に、「第4次補正予算」が提出されました。

 第4次補正予算では、生活保護費20億円余や、待機児対策として認可保育所開設補助費など3億6700万円余などが計上されているために賛成はいたしましたが、12月という時期の補正予算で、15件の債務負担行為というあり方については、意見を述べました。
 
 
 実は、松原区長は、就任2年目の平成20年度第4次補正予算においても今回と同様に、緊急経済対策を組んだのです。その時の緊急経済対策費は、総額4億5019万1千円、24件でした。その多くは建設関係でしたが、債務負担行為は合計3件だったのです。 
 
しかし、今回の第4次補正予算には、31件の緊急経済対策費5億1981万1千円を計上し、そのうち15件も債務負担行為としたのです。2年前には、年度内で工事が終わる予算を組めたのに・・・と思いました。債務負担行為を組んだのは、それほど、景気が悪いことを懸念したということでしょうか・・・。
 
 
自治体の予算は、会計年度独立の原則です。年度の歳出は、年度の歳入をもって当てますが、突発的な事故や、年度内にどうしても完了することができない場合など、まずは、原則の例外として予算で定めて翌年度に繰りこして支出できる繰越明許費とすると教えられてきましたので、必要とあらば、来年度の第1回定例会で繰越明許費として編成もできたのでは・・・と思ったのです。
 
 
今回、4月が改選なのです。それを目前にしている時期の債務負担行為15件という予算編成は、選挙で新たに選出される区長さんの権限になるので、普通はあまり行わないことです。
 
この間の債務負担行為額の推移を見ると、平成19年度73億9542万7千円だったものが、平成22年当初予算では、155億9千万円が、2011年度以降の債務負担行為額。その中で特に大きい額として大田体育館の建設費が69億5千万円などがあるのです。まもなく財政白書で確かな数字が報告されるでしょうが、今年度の分も加えると額がもっと増えます。
 
これらは、4月以降、義務費として2011年度の財政を拘束することになるので、政策的な事業を組むことが、厳しくなります。
 
69万区民全体に対する行政サービス、住民の福祉向上に沿った2011年度予算編成であるよう要望しましたが、財政を知ることが、自治体運営の要だと痛感し、12月6日の議会を終えたのです。

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第4回定例区議会が開催されます

2010.11.21

 11月25日から12月6日まで第4回定例区議会が開催されます。

 現時点で、議案25件、報告案件が2件上程されています。

その中で補正予算は、29億474万2千円。特に、景気低迷を受け生活保護費の補正額が19億円余と、総額で322億円余となります。これは、2010年度予算2314億円余の実に7分の一を占める額です。

 大学卒業予定の若者の就職内定率が6割を切る社会。雇用の確保がなされなければ、日本という国そのものの未来が危ういが、国会審議を見てもその緊張感が、希望が見えてこない。まさに政治の在り方が問われている時代なのに・・・。

 また今回、「地域力を生かした大田区まちづくり条例」が出されております。分権時代のまちづくり条例がどうあるべきかという議論が、この間、様々に行われてきておりますが、先日、私は、大学の教授だった大本圭野さんの勉強会で、先生の「まちづくりの基本には、いつも住宅政策が中心に据えられるべきだ。存権の中に居住の権利が保障されてこそ、人間の尊厳が守られる」という力強い話に納得した。様々な条例が作られていくときにも、そこに「地域の住民の自治を住民が作っていく」という視点が不可欠だが、そうした点が条例でも随所に担保されていなければ、有機的にまちは動いていかない。

 今年最後の議会。寒い季節ではありますが、どうぞ、傍聴においで下さい。

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第3回定例区議会の質問から  大人も子どももひきこもらない大田を目指して

2010.10.15

 

季節の移ろいは早いもので、もう10月です。
さて、第3回定例区議会で「福祉と教育」について質問しました。
大人も子どもも引きこもらない社会を作っていきたいものです。
 
 この夏、熱中症で亡くなられた高齢者の方が地元におりました。入院先の奥様を見舞う姿が見られず、懸念した病院からの通報で発見されたのです。「電化製品が故障しているから直さなければ」と話していた矢先とのこと。子のいない夫婦二人だけの家庭で、それから一週間ほどして、とうとう奥様も亡くなってしまいました。
この夏ほど、近隣で暮らす様々な高齢者の安否が気遣われ、地域のつながりを考えさせられた年はありません。
介護保険制度が始まった2000年、218万人だった要介護認定者は、2010年には485万人と267万人も増加し、特別養護老人ホームの入居待ちが、全国で約42万人。介護従事者は、年間63千人の割合で増え、現在140万人。2025年には212万人の確保といわれますが、労働人口が年間約45万人減少と推定され、高齢者も雇用しなければ対応できないと言われております。
それに加え、介護費用は、2000年の3.6兆円から現在79千億円、そして2025年には約20兆円と試算されています。
大田区の介護保険特別会計も、2008年度約339億円から、2009年度決算約358億円と増加しており、今年度396億円と高齢化と財源確保は重要課題です。
この点について、2010年度、都区財政調整協議においても、「実質的な義務的経費である医療・介護保険制度への繰出金も財政圧迫の要因の一つ」としておりました。特別区に共通の課題である高齢化への対応や、子育て支援など、喫緊の課題が山積みのなか4項目の提案がなされた財調協議で、特に目を引いたのが、市町村民税法人分等の大幅減の東京都が、23区へ迫った現行の基準財政需要額の算定内容見直し。対する23区は区市町村振興基金の活用です。
本年2月、区市町村振興基金は公共施設改築工事費等に活用と合意、実質的な減収補填措置は講じられるのだそうですが、東京都、そして財調制度がある限り、特別区には、より一層財務に長けた職員集団、その育成が必要だと痛感します。
松原区長には、今後の景気や雇用不安による税収減など、厳しい財政運営が余儀なくされますが、大切な税金を、羽田空港跡地購入へ投入することは、自治体の本来の責務である高齢者対策、子育て支援、まちづくり、教育など、区民生活の安心が担保できない財政状況を招きかねず、改めて、住民の福祉、地に足のついた自治体運営を求め質問に移ります。
 
まず、福祉について質問いたします。
大田区では、65歳以上の方が、201041日で140,331人、そのうち一人ぐらし世帯は43959世帯と、実に3世帯に一軒の割合です。一人暮らしの方は、一日の85%、睡眠時間も含め約21時間を一人で過ごし、社会的孤立に近い状況が続くため、放置すれば、自ずと認知症の確率が高まり、要介護となりやすいと言われております。
また、社会で支える介護といいつつも、家族介護に依存している日本では、一人暮らし高齢者の介護をどう支えるか、大きな問題となっていきます。 
現在、特養の区内ベッド数が1,320床ですが、3月時点での特養待機者が1498人と、入居はかないません。それでも、区が補助金を出して確保してきた区外特養ベッド数75床、利用者本人が区外へ申し込んだ357床と、区外特養ベッド数の合計は432床、その上、介護保険制度の住所地特例対象者が811人と、多くの方々を他の自治体の施設へ入居していただいても、まだ不足しているのです。
私は、本来、ケアハウスなどの施設と特別養護老人ホームの中間施設が必要なのではないかと考えています。
ケアハウスは、原則として自立できている方が条件のため、事務や調理の方はおりますが、ヘルパーはおりません。要介護状態になった時点で、他の介護施設に移らなければなりません。
比較的軽度の認知症の方のためのグループホームも若干ありますが、そうした制度の狭間をぬう形で、無届け老人ホームが作られてきました。たまゆらの火災後の調査で判明した数は、東京都で大田区が最も多い20箇所。スプリンクラー設置補助などの対策がなされてきたとはいえ、ベニヤ板で仕切った3畳ほどの居室など、課題がありました。
高齢者等の権利擁護である成年後見制度の区長申立ても活用され、2008年度で16件、2009年度で23件でしたが、一人暮らしで身寄りのない高齢者だけではなく、今問題なのは、家族が関わりを拒否し、一人きりになってしまった高齢者も増え始めていることです。そうした方々も含め、居場所の確保に担当職員がどんなに懸命になっても、施設そのものが不足していては限界があります。
一人暮らしや身寄りのない高齢者なども含め、大田区で生活したいという願いにこたえるため、軽度の要介護者の施設整備をもっと進めるべきです。いかがでしょうか。
 
さて、2012年度の介護保険改正に向け、厚生労働省の、65歳以上の保険料を4160円から5千円を上回りかねないとの見通しに驚きましたが、少子高齢化の将来を考えれば、要介護者をいかにして増やさないか、その対策が早急の課題です。
75歳以上の高齢者の介護認定率は29.8%ですが、65歳から74歳の認定率は、4.5%とまだ低いので、この前期高齢者の時代に、引きこもらせない取り組みを始めている自治体の介護費用は少ないのです。
23区の中では、既に、元気高齢者への具体的な取り組みを進めている区があります。
例えば、大田区と規模が似ている練馬区。高齢者の集う「食のほっとサロン」を現在14箇所で運営し、今後30箇所まで増やすために、この10月にも新たな募集を行います。とにかく家にこもらせないこと。食事や自主企画などで利用者同士が交流し、口腔ケアなどの歯科衛生指導を区が提供。場所は、空き店舗、学校の余裕教室、或いは、個人の自宅など多様ですが、自宅から歩いて通える範囲が長続きの秘訣であり、毎月約400名の高齢者が元気に参加しているそうです。
この事業の23区総額は、137611520円。東京都高齢社会対策包括補助金の半額補助が、3年で切れることは問題ですが、練馬区では4年目以降、区単独で13000円の委託費、1時間300円の会場使用料などを出しているそうです。
ところが、大田区では、おおた未来プランで「元気高齢者の活動、交流の場の確保」といいつつも、計画がいっこうに進んでいないのは、何故でしょうか。
先日、区内で高齢者の食事支援、居場所づくり、サロンを自主的に行っているNPOを訪ねました。高齢者に優しい味付けの食事、作っていた方は78歳。その日の利用者の最高齢は88歳。楽しく元気な時間があっという間に過ぎました。
あるご婦人は「主人が死んだ後、元気をなくしていた私は、ここで元気になりました。」としみじみ語っていました。朝晩の食事を簡単に済ませても、ここで昼食をいただき一日の食事バランスがとれると語っていました。ちょっとおしゃれも楽しみ、男の方も女の方も、まるで第二の青春のようでした。
運営の方も、食事を作る方も、全くの無給です。人生経験を生かしつ、幾つになっても人生を楽しく生きる高齢者に、老いに向かう人間の美しさを見た思いがいたしました。区長のめざす地域力とは、このような活動をさすと思うのです。
それなのに「ふれあいサロンを平成22年度にはモデル事業」と明記した大田区が、そうした地域の活動を支援することもなく、ましてやモデル事業さえ実施していません。大田区はいつになったら実施するのでしょうか。来年度は、整備支援拡充の予定ですが、このままで拡充ができるのでしょうか。拡充するとすれば何箇所の予定でしょうか。お答え下さい。
老人いこいの家を再構築することが計画に上っていますが、施設にふれあいサロン機能も持たせるなど、多様な活用方法を検討し、元気高齢者の社会参加を促す居場所づくりを、せめて18出張所に作る気概を持つべきです。いかがでしょうか。計画は実行されてこそ命を吹き込みます。
老人福祉法第5条の42項は、各自治体では老人の福祉に関し必要な実情把握に努めること、情報提供をおこなうこと、相談に応じること、これらに付随する業務を行うこと、そして、6条には、その業務を行うために老人の福祉に関する技術的指導をおこなう社会福祉主事を置かなければならないことなど明記されております。高齢社会に大田区がどのような視点で取り組むか。その違いで自治体の未来が大きく左右されることを訴え、福祉の私の質問を終わります。
 
続いて、教育についてです。
小・中学校の不登校数がついに17万人を越え、その3割から4割は引きこもりという調査結果が発表されました。
先日、東京都主催の「不登校・若者自立支援フォーラム」で、実際に不登校だった方のお話を聞きました。中学校に一度も行かず、クラスメートの「学校楽しいよ」という手紙にも応えられない自分が苦しく、部屋を真っ暗にして生活。中学校4年目のクラスを通知されたときの悲しみ。とうとう17歳で中学校除籍。20歳までひきこもり。そして死にたいと自殺願望に陥ったとき、初めて「もう一度、学校へ行ってみよう」と思ったそうです。夜間中学に入学し、学校を休まないようにと、無理に自分に言い聞かせていたそうですが、2年目でとうとう2週間学校を休んでしまった、その時に先生がかけてくれた言葉は「休めてよかったね」だったそうです。初めて気持ちが楽になり、そうして彼女は肩肘張らずに8年間の学びののち、教員として今、中学校の教壇にたっています。
「自分らしく、安心して生きられる居場所」の大切さと、それと同時に、「親の育て方が悪いから不登校になっていると、家族を責めないで欲しい、家族も孤立しているのです」と語る言葉に、とても説得力がありました。
今、学校では教員も子どもも時間に追われ、子どもらしい伸びやかな時間が保障されているでしょうか。「休めてよかったね」と、彼女を見ぬいて声をかけた教員に救われる、そんなつながりが必要です。
そんな不登校の原因と、もつれた糸をほどくように、時間をかけて向き合っている登校支援員と呼ばれる方がおります。江戸川区の登校支援員の方は、学校、教員と繰り返し面談し、子どもの情報を得た上で家庭訪問をし、「何故、今の状態が起きているのか」を観察して、じっくりと登校を働きかけてきました。この取り組みで、生徒の復帰だけではなく、学校や生徒や家庭の情報を、支援員を通して把握でき、学校全体がより効果的に不登校と関わりがもてるそうです。
都内には、2007年の調査で25000人のひきこもりが存在し、意識上でひきこもりに近い親和群が16万人、内閣府の統計では全国に70万人といわれております。
不登校、引きこもり対策は、児童・生徒が2~3日休み始めた早期の段階から注視する必要がありますが、大田区では2009年度、小学生94名、中学生387名と481名が不登校でした。小学校で3割、中学校で2割の復帰率とはいえ、370名近い児童・生徒は、不登校を続けています。また、大田区のスクールカウンセラー利用状況を見れば、中学校では、教員・保護者、児童生徒からの不登校相談が、実に全体の42%を占めているのです。
適応指導教室の増設や、個別指導、小グループ活動など、様々な対策を講じていることは勿論評価いたしますが、合わせて登校支援員のように、じっくりと不登校と向き合い支援する人材活用を考えてはいかがでしょうか。
例え一人であっても、同年齢の子どもの学びの場、集団生活の場で青年時代を過ごす子どもたちを増やせるよう願いをこめ、大人も子どもも引きこもらない社会に向けた私の質問を終わります。

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第2回臨時議会を終えて

2010.05.26

 2010年度の議会の役職等を決める臨時議会が終了しました。今回、高瀬議長・渡部副議長と、私と同期の3期生が就任しました。緊張していた12年前を思い出し、こんなにも早く月日が流れたのだなと、しみじみと思いました。

 私は、昨年同様、子ども文教委員会と防災の特別委員会に所属することになりました。

 さて、臨時議会で可決された議案に、ごみ収集の小型プレス車購入があり、私は賛成いたしました。ちなみに、今回の入札価格は3台で2100万円です。

 付託された総務財政委員会を少しの時間傍聴しました。入札関係は総務財政委員会ですが、清掃事業を担当する所管の部課長を同席させていただき議論をしたほうがもっとわかりやすいと感じました。

 区収集のごみの場合、一つには生ごみが多く含まれているために生ごみの水分が車両のごみを積み込む「かそう部分」の腐食を進めていきます。時には底に穴があくこともあるそうです。また、不燃ごみ収集においても、硬い金属類によって傷められています。ごみ収集ではエンジンをかけっぱなしにするため、6年でおよそ10万キロから11万キロの走行距離であっても、だいたい30万キロ走行に匹敵するそうです。

  こうして小型で約6年、大型で約7年使用したのちに、入札などによる売却をしています。区で使われた収集車を、ペットボトルやダンボールなどの比較的に軽くて、水分を含まない資源を収集する車両として使用するリサイクル業者が入札に参加して購入しています。ごみ質が違うので、中古の車両を購入して使っているのです。ごみ収集者は様々の改良が施されているために新車は高いのです。 

 また、「6年で新規購入」ではなくそれ以上使えないか、16年度に購入した1台を残して試しているようですが、全て税金で賄うのでそうした取り組みは大切なことだと思います。いずれにしても都市の衛生を支える清掃事業の苦労は大変です。

 臨時議会が終了すると、もう6月4日からは第2回定例区議会ですので、お時間のある方は傍聴においで下さい。

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2010年度 公益性 公平性を念頭に

2010.04.27

  2010年の第一回定例区議会が終わり、新年度がスタートしています。大田区では、今年度の人事異動の方が1100人?ほどもいたらしく、庁内報を読んでその多さに驚きました。約4.5人くらいに一名でしょうか?新しい部署に慣れるには、少し時間が必要でしょうか。
私も公務員をしておりましたが、教育現場と区役所では少し違うと感じました。

  松原区長は、2007年度188億円、2008年度242億円と、2年間で基金を430億円積み増し、2008年度末の基金総額が1010億円になったが、これは、予想もしない長い景気低迷に備える大きな安心と受け止めていました。
 2010年度予算では、経常的経費をゼロベースで見直し75億円の削減をおこなったと発表していたが、その中身を見ると次の結果でした。
●    昨年度積み立てた公共施設整備資金26億円を2010年度は積み立てなかった
●    経常的経費から義務的経費区分に振り替えた私立幼稚園保護者負担軽減補助12億円
●    政務調査費1.8億円
●    政策的経費区分に振り替えた「おおたっ子広場」などの児童館運営費8億円
●    これらの経費と、その他もろもろ含めた額を差し引いた実質見直し額は19億円
 
それでも19億円余という額は多額。その内訳は施設管理運営費5億円や、社会福祉協議会の運営費1000万円など。これは、区役所を上げての財政の見直し。特別区税と特別区交付金あわせ107億円もの減収に対処するためと受けとめました。

  しかし、その一方で、政策的経費を前年度52億円から58億円増加の110億円とした点に私は矛盾を感じました。政策的経費がいかに区長の権限とは言え、区の独自政策に使える主要な財源である特別区民税が2009年度から2年連続のマイナス計上の時に、政策的経費を大幅に増やしたからです。2011年度は特別区税、特別区交付金ともに、更なる税収の落ち込みが予測され、基金取崩し額は、2010年度以上に増えるのではないのでしょうか。
 景気回復が思わしくないから、区民サービスを後退させないという考えがありますが、108億円と思い切った基金の取り崩しをするとき、どの事業にどう予算を配分するか、財政の長期的展望と優先する根拠、事業の公益性が担保されていたのでしょうか。

  例えば、羽田空港国際化事業6362万円。かつて、羽田空港新B滑走路供用開始のとき、国土交通省が式典を主催していました。
 大田区が6362万円もの単独の予算を組む必要性があったのか。事業が単なるイベントに終わってしまうことはないのか。ましてやこれほどの多額を計上し、この事業が国際化や地域経済の活性化にどのように寄与するのか。
 昨年度より大幅に縮減された事業内容では、実績による見直しと言う理由がとても多い。例えば「ひとり親家庭へのホームヘルパーの派遣」など、事業内容さえ知らない世帯もあり、周知されていなかったのです。必要で立ち上げた事業なら事業を実績で均一に見直すのではなく、何故その事業の実績が向上しなかったかと、その調査をして活用できるようにすべきです。

  その意味でも補助金交付のあり方を整備すべきことを主張しました。
 173事業93億円の補助金交付が事業化されている大田区です。
 「公益上必要がある場合にこれを助成するために交付する」と地方自治法232条の2で規定されている補助金交付ですが、その優先順位を公益性、公平性、透明性に基づいて決めていくことを述べました。
 歳入で取り上げた都区財調の特別区交付金に、東京都と各区の垂直調整において、交付基準が明確にされていない特別交付金の交付5%があり、ブラックボックスとなっているのです。都区財調の1%は、例えば160億円にも相当するような額です。このままの数字では、都と区の対等な関係を維持する仕組みとは言えません。税金の使途にあたっては、交付基準の明確化が必要だと考え、この問題は、款別質疑の「歳入」でも取り上げました。
 また、事業が既得権化することのないよう、事業の執行を検証する場を求めました。

  教育については、障害児の普通学級への入学、就学通知を取り上げました。
 大田区は障害児の小学校就学にあたって、まだ十分に門戸を開いているとは言えません。23区の障害児の就学調査をしたところ、障害があるけれど普通学級を希望する児童の受け入れに対し、大田区は23区でただ一区、付き添いなどの確認書を保護者に書かせているのです。教育委員会では「学習特別支援員の配置」として4558万円1000円を計上していますが、これは、普通学級に在籍する発達障害等の児童生徒のサポートに活用されます。障害児だけは保護者に確認書を書かせ、付き添いなどをさせることは、もう見直すべきです。子どもが学校で学ぶ理由に、親からの自立や同年代の集団との関わりがありますが、常に教室の後ろに親がいては自立できないからこそ、支援員などを配置しています。また、25日現在でもまだ就学通知をもらっていない親子もいるのです。とても義務教育とは思えない実態です。政府が高校無償化を実施するそうですが、本来であれば義務教育の無償化こそ優先すべきであり、どこの学校に入学しても適切な教育支援を受けられることは、義務教育の責務なのです。
 また、2011年度から本格実施される新学習指導要領に備え、移行措置や新たな教材購入などが行われておりますが、特に影響を受ける中学2年生へ見守りが必要です。制度移行の狭間での学びなどのつまずきが、形を変え不登校などに表れることもあるからです。
 生活保護が23区で一番多い足立区では、不登校や高校中退の子どもたちが、学び直しの受け皿がなければ生活保護受給予備軍になりやすいとして、学び直し事業を実施するそうです。
 教育委員会では不登校を未然に防ぐためのメンタルヘルスチェックが行われますが、子ども達は、学校では相談しにくく、カウンセラーの利用場所なども考慮すべきです。
 また様々な理由で夜間学校を選んだ生徒を支援する日本語学級の設置なども検討し、全ての生徒の学びを支えるべきです。特に高校中退者が増え続け、その生徒たちの居場所や受け皿作りが急務であり、次世代育成支援の観点から部を超えた連携をしていくべきです。

 教育は1年、2年という長い時間軸でじっくりとクラスの子ども達の成長と向き合います。
 一方、役所の職員は、地域や窓口、そして電話等で、常に新たな区民と接し、様々な課題も迅速に解決を求められると同時に、配属されたあらゆる部署の仕事も熟知しなければなりません。

  さて、私は、2010年度一般会計に反対しました。討論の主な内容を掲載します。区長の予算編成、教育の2点から反対討論を行いました。

  でも、次に続く人間を育てなければ機能しないという点では同じです。公務員として公平な視点で仕事をすることが区民や子ども達の幸せにつながることは、忘れてはならないと思います。

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