2015年度 大田区予算について

2015.03.14

第一回定例区議会が終了しました。
とても短い議会だったので、2501億円余の一般会計予算の審議も残念ながら十分とはいえませんでした。
2015年4月からこの予算で様々な事業がスタートしますが、以下何点かにわたり反対する点や意見を書きます。

2015年度一般会計予算
2015年度予算は「地域のちからで世界とつながり、だれもがいきいきと暮らせるまち大田区」がスローガンで、過去最大の一般会計予算でした。
首都直下地震への備え、耐震化や不燃化への取り組み
待機児解消や保育士の人材確保支援事業など子育て支援
生活保護世帯児童生徒の学習支援
特別養護老人ホームを矢口に新設
障害者の移動円滑化
そして、ようやく小中学校校舎改築は2校に着手

私が評価している事業の中に「虐待防止の支援策に伴う顧問弁護士の設置」があります。予算は決して多くはありませんが、大田区が専門家による相談体制を整備して、虐待を許さないと取り組んでいくのです。

また、大田区は区内で生活している外国人の方々を支え、多様性を認める政策を進めてきました。
社会が閉塞的になる時こそ、それぞれの違いを認め合う地域づくりが平和を支えると痛感します。

一方で、羽田空港跡地を活用した国家戦略特区についてこのまま進めることに不安を覚えると共に、再考すべきでと考えました。

特区は、政府が提示した規制緩和を進める区域指定であり、海外の企業にとって世界で一番ビジネスがしやすい東京をめざしています。羽田空港跡地を活用し大田区が参入することは、今後の経済動向からも大きな負担です。

跡地にはこれまでも約9000万円近い調査費用が注ぎ込まれ、更にこの度、成長戦略拠点形成として8636万円の予算が組まれました。そのうち「基盤施設の整備検討」4515万円ですが、「跡地内に整備する区画道路や多目的広場等について、都市計画の手続きを進める」とありました。この間、随意契約の特例や減額譲渡など跡地取得の方法が提示されてきましたが、誰が購入するかわからない、しかも区は具体的な方針を示さないまま、どうして都市計画の手続きを進めることができるのでしょうか。

また昨年、跡地の一部で戦前の所有者のままの登記があり裁判。
戦後70年経過してもなお48時間強制退去の歴史を引きずっている跡地。
羽田地域の方々の思いと寄り添い、10年後、20年後の人口動向を見据えるまちの計画こそ、優先すべきと私は考えます。

静岡県掛川市は、日本で初めて生涯学習都市宣言を行った自治体。
私は大学で恩師が社会教育の小川剛先生でした。先生とゼミや現場へ赴くなかで、社会教育の大切さを学んできましたが、地域の住民の学びを支える取り組みは、地域を豊かにしていくので、掛川の取り組みに学ぶところがあります。

市長は市民と直接対話。地域のどんなに小さな声も聞いて政策を作っていったようです。
だからこそ新幹線掛川駅の誘致・開業にあたって、市民から30億円にものぼる基金が集まったのだと思います。
「掛川市生涯学習まちづくり土地条例」というちょっと珍しい名前の条例は、開発優先ではなく住民が納得するまちづくりの視点。
とてもユニークです。

行政が住民の理解と協力を得る努力を惜しまないことが、まちを良好にします。
大田区の跡地利用も熟慮すべきだと思います。

さて、この度の一般会計予算は前年度より81億円増。地方消費税41億円よ、財調の交付金も41億円増。どちらも消費税増税の影響です。
しかしその分、大田区の消費税支出も増えます。
平成23年、消費税8%が議論にのぼったときに聞きました。
その当時はまだ消費税5%でしたが、およそ29億円の消費税を支払う大田区。
現在8%ですから、消費税の支払いももっと増えていきますので、増額分がほぼ消費税支払い分でしょうか。

大田区の消費税は147億円。そのうち社会保障財源分を63億8147万円。
臨時給付金があっても年金が実質減っており、高齢者の消費税の負担感が重い。

特別区交付金も地方消費税交付金の増加分が影響していますが、法人住民税の一部国税化により市町村民税法人分がマイナス4.9%と、今後の都区財調に影響がでていきます。
都区財調は景気の動向を反映しやすいのです。

大田区の特別区民税は、人口が6000人も増加していても前年比よりも伸び率が低調でした。
歳入に占める自主財源の割合も39.3%と、前年よりもマイナス2.1%という結果。
これを見ても決して区民の生活が決して上向いてないのです。
2014年度の予算では前年比21億円増でしたから、今年の8億と比べてよくわかります。

それに反して依存財源の株式譲渡所得割交付金や配当割交付金は大幅に増加!
昨年も急増でしたが、アベノミクスは、大手企業や株主等ごく一部への恩恵だとよくわかります。
国民の格差は広がる一方です。

だからこそ区民の安心とつながる自治体の事業が大事です。
確実に事業を推進するためには、まず大田区職員の定数を増やすべきです。
定数を増やすべきと言うことはずっと主張してきましたが、正規雇用と非正規は2対1のような比率なのです。

職員の平均年齢が40代を越えています。
特に技能労務職は51歳です。
世代間の経験の継承をはかることが職場の仕事効率を高め、区民サービスを充実させます。
区民が行政サービスに満足すれば、それは必ずや行政に還元されるのではないでしょうか。

さて、待機児解消のため36億円余の予算を計上!
ただし、国が法改正を行い認可園は園庭がなくても建設できることになってしましました。
用地が狭く園庭を設置できないため、公園を活用しているので、区立児童遊園などを乳幼児が利用できる園庭として再整備していくべきです。
子ども時代の運動や遊びがどれほど大切か!身体機能を高め、小中学生の基礎体力にもつながります。

4月から社会教育委員会の事務が一部区長部局へ移管されてしまいます。私はこの点も反対してきました。
大田区の社会教育が後退することのないよう祈るような気持ちです。

2014年度は大型イベントが続きました。それらが単発ではなく地域力にとして確実に積み上げられているでしょうか。時にイベントも必要ですが、日常業務とつながる取り組みを自治体は大切にすべきです。

教育委員会が所管した放課後子ども教室は、年度途中の10月議会で議決。しかも新規事業だったのです。これは一から作りあげ4月開始に間に合わせるため、担当職員はとても頑張ったと思います。
しかし、学校内の居場所の確保が困難で、例えばランチルームを活用する大規模校もあります。
全ての学校に放課後使用できる教室の確保が難しいため、教育委員会は学校長と今まで以上に連携が必要です。
しかも運営は会社が行うのです。

さて、川崎で本当に痛ましい事件が引き起こされ中学生が殺されてしまいました。
今、中高生の居場所が本当に少ないのです。
大田区では羽田地区に作りましたが、更なる居場所が必要です。

清掃事業については、水銀を含むごみを有害ゴミとして収集するよう議会で取り上げてきましたが、やはり有害ごみか資源ゴミとして回収を徹底しなければ、清掃工場の被害が何億円にもなってしまいます。
新設の大田清掃工場は直営ではなく残念ながら委託されましたが、危険な物質を扱う現場であり事故への備えのため、区は化学職の採用を清掃一組に求めていくべきです。

非婚のひとり親家庭への寡婦控除みなし適用を行ってほしいものです。
23区では4月から11区、そのほか中野区も取り組むそうです。

特別会計は国保、介護、後期高齢の3会計があります。
第6期では、介護保険料を15段階から17段階へ増やし、合計所得金額2500万円以上の方の基準額比率を3.2%にするなど、大田区は応能負担の原則へ近づける努力をしています
しかし、国は、介護報酬費を実質3.95%の引き下げ、更に特別養護老人ホームの基本報酬は、約6%の大幅引き下げ。
知り合いの親子3代にわたる社会福祉法人の理事長は本当に困惑しています。
人材確保が難しく経営が困難だと頭を抱えていました。
この先どうなってしまうのか。
報酬引き下げを前提とした介護保険料改定には賛成できませんでした。

更に第一号被保険者の負担割合を制度創設時の18%から、第5期には21%へ、この度の第6期では更に22%に増やしました。国は65歳以上の高齢者がサービスを利用するのだから「応益負担」という観点を導入し、負担割合を引き上げています。
この1%の負担増が、国民健康保険の均等割を一人あたり600円減額するという結果に!
介護保険・国保・後期高齢の特別会計が、相互に補完しあっているので、3つの特別会計に反対しました。

国保会計では一般会計から101億円の法定外繰り入れを行い、このうち64億円が財源不足分でした。大田区の国保会計の特徴は、60歳から74歳の前期高齢者が増加し、医療を必要とする世代であると同時に、高額医療費の支出が他区と比較しても多いため、不足分が多くなります。その結果、平成23年度の統計によれば、国保加入者一人あたりの法定外繰り入れは51289円と、大田区は全国の上位9位に位置していると分析があり、驚きました。
でも一般会計から繰り入れなければ保険料が驚く高さに!
全国の自治体を見ると、一般会計から繰り入れをしていない自治体もあったのです。

国民健康保険法では、国庫負担割合は100分の32と規定されていますが、いざ自治体に交付されるときには様々減額され、2015年度の国保会計の21%にすぎません。
国は、この法定外繰り入れが問題だとして2018年度から国保の都道府県での広域化を目指しています。
しかし、国庫負担を増やさないままの広域化は、保険料が低い都内自治体、例えば多摩地域などの新たな負担を招くため、国民全体の福祉と健康を保護するとはいえません。

国の公費負担割合を増やすことを全国から声を上げなければならないと私は思います。
そして、もう一点、大田区が全庁あげて健康に老後も過ごせるように、介護予防対策と健康政策の充実に取り組まなければと思いました。
医療費支出が少ない自治体の取り組みに学ばなければ!

最後に、戦後70年の節目、そして東日本大震災から4年の歳月が流れました。3.11追悼式典において、安倍首相はなぜ福島原発に触れないのでしょうか。
原発再稼働をしたいために、敢えてふれに野でしょうか。
昨年、伊吹衆院議長は「将来の脱原発を見据えて議論を尽くしたい」と述べられました。
故郷に帰ることのできない被災者は、いまだ22万9000人もいるのです。
大田区でも生活しております。

戦後70年。戦争は絶対にしてはいけないし、震災の記憶を風化させてはいけない。
政府が、何やら「周辺事態」ではなく「重要影響事態」を創設したいとか。
更に「国連決議がなくとも国際機関の要請で自衛隊の派遣を可能にする」と、とんでもないことです。

そして、原発再稼働も絶対反対です。

区民が安心して暮らすため、しっかり声をあげていきます!

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社会教育を区長部局へ条例改正…反対しました

2015.01.29

2014年第4回定例区議会に提出された
「第
74号議案 大田区教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例」

このタイトルでは、一体何を決めたのかよくわからないと思いますが、この度の条例は、大田区教育委員会の所管の事務のうち、「学校体育を除くスポーツに関すること、並びに、文化財保護を除く文化に関する事務」を区長が管理し、執行するものであり、教育行政の大きな転換なのです。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第24条においてこの2つの事務を首長が管理し、及び執行することとすることができるとして改正されましたが、必ず移管しなければならないということではありません。

そもそも社会教育は、戦前の歴史的反省の観点から、政治や一般行政からの自由を確保することが求められ、政治的中立性、教育行政の継続性、そして、住民参加という理念のもと育まれてきたものであり、単なる学習支援ではなく教育委員会で事務を推進すべきと考えます。 

大田区は条例の基本的な考えとして、「東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた施策の充実や、地域、学校、家庭が連携し、青少年健全育成の施策の充実を図る」と述べておりました。

例えば、青少年健全育成事業は、平成21年4月に教育委員会へ所管を移したばかりであり、それをわずか5年で区長部局へ移管するためには、事業遂行に齟齬をきたしているなどの明確な根拠が求められるのではないのでしょうか。青少年健全育成のための大田区行動計画において、20歳までの青少年の育成は学校教育と関わりが大きく、放課後の校庭開放や体育館の利用、学校支援地域本部など教育委員会で情報を共有して機能してきたから学校も協力を惜しまず、今後本当にうまく機能するのでしょうか。また、青少年委員やスポーツ推進委員など多くの区民委員は、教育的中立という立場を理解して委嘱を受け職務に励んでこられたのではないのでしょうか。

更に専門職の配置はどうなるのでしょうか。

社会教育法第9条2項により、社会教育主事は、教育委員会の事務局に必置規定されているのです。社会教育主事の仕事は今後ますます重要になると指摘されていますが、70万区民を有する大田区にはたった2名しかおらず、この20数年間、新たに採用しておりません。しかも社会教育主事は教育公務員法に規定された教育公務員であり、教育委員会に身分を残したまま、区長部局で仕事をさせるのでしょうか。

それは学芸員にも言えるのです。学芸員は博物館法で定められ「博物館に専門的職員として学芸員を置く」と位置付けられています。今般「郷土博物館及び大森海苔のふるさと館」の所管が変われば学芸員はどこに所属するのでしょうか。文化財保護を司る学芸員の仕事を国の法改正でも教育委員会に残した理由の一つに、地域の埋蔵文化財保護と首長による開発行為の許可との均衡性の観点から課題があるからと言われております。郷土博物館が区長部局に移管され、文化財保護は教育委員会の所管と、学芸員はどのような立場に置かれるのでしょうか。

しかも文化と文化財保護という分離の仕方で大田区全般の文化情報が双方の所管でしっかりと共有され、文化振興が進むのでしょうか。

既に実施したある自治体では、一般行政で学校の文化振興を活かしきれず、結局教育委員会に所管を再び移管したのです。

スポーツ振興においても、区民全ての健康を支えることが社会教育の主眼であり、今般、文化事務、生涯学習、青少年育成事業、郷土博物館など大幅な組織改正が進められます。

この度の条例に加え、更に4月1日施行の地教行法の改正により、教育行政における首長の権限がいっそう強化されるとともに、国による監督権も強化されるのです。首長が教育大綱の策定権限を持つだけではなく、大綱の制定にあたっては、国の教育基本方針を参酌するなど、教育への行政の関与が一層強まるのです。社会教育法第12条において、「国及び地方公共団体は、社会教育関係団体に対し、いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない」と規定されているように、一般行政の首長と一定の距離を持ち、首長の政治公約と一線を画した上で、様々な思想信条を持つ全ての住民に対し、公平に生涯を通して学ぶ権利を保障するために、この度の条例改正に反対しました。

 

残念ながら反対したのは私を含め2名でした。区内で活躍する多くの方々も、社会教育課が計画してきた様々な事業の中で学び、現在に至っております。地味な仕事ではありますが、区民すべての学びを支える生涯教育の大切さは言うまでもないことです。
私は社会教育を恩師・小川剛教授に学びました。学生時代に地域へ出かけ学びあったことを思い出します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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全ての子どもたちがともに生き、共に学ぶ教育を目指して

2015.01.29

障害児教育について議会質問で取り上げました。

2011年に障害者基本法が法改正され「可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮」という文言が入り、共生教育が打ち出されました。

更に2013年、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が成立し、「全ての障害者が障害者でない者と等しく基本的人権を享有し、障害を理由とする差別の解消、個性を尊重し合いながら共生する社会」をめざし一歩踏み出したのです。

時にいわれのない差別の悲しみを抱え、なお懸命に生きてきた障害児に、友達と共に生きるインクルーシブ教育が打ち出されたことは素晴らしいことであり、区立学校で率先して障害児に理解のある教育を進めていただきたいと考えます。

6歳の春は、胸をわくわくさせる入学の季節です。私は4年前、障害児の入学に際して親の付き添いを求めるか23区で調査しました。残念ながら大田区だけが「誓約書」を書いていただくよう保護者にお願いしていたのです。あれから4年が経過しましたが、学務課が「特定の児童だけを対象に誓約書を求めることは差別に当たる」として改善指導をし、親にとっても変化を感じる日々です。

しかし、実際に入学に際し学校長が「保護者の付き添い」を求めることもありました。学校は、子どもが親から社会へ巣立つ一歩であり、子ども同士で支え合い学ぶことが大切です。大田区には「大田区立学校生活指導支援員設置要綱」があります。小学校では最低8時間、再考36時間の配置で、今年度の特別支援員は小学校で35400時間と、まだまだ十分と言えません。

大田区では、障害のある児童が地域の学校へ入学する際に、保護者の付き添いを求めていますが、これはもうやめるべきです。そして、生活指導支援員をより充実すべきと考えます。

支援員に全て頼るのではなく、介助を得て本人の自立が促されることも大切にしながら、共に学び共に生きる喜びを実感できる教育を求めました。

 

 

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法人事業税の外形標準課税の適用拡大に反対の声を

2015.01.29

 総選挙に当たって政府は、法人実効税率を来年度から20%台へ引き下げと言及しましたが、中央大学名誉教授・富岡幸雄氏は「大企業は法定税率どおり法人税を払っていない」と、租税回避地を迂回するお金の流れに日本の税法が及ばず、法定実効税率38.01%に対して大企業の実際の税負担率が低くなっていることを指摘しています。
 実効税負担率の低い企業の上位10社には、3大メガバンクはじめ金融機関が7社も入っており、適正に負担していれば消費税増税は不要と述べています。
 政府はこの間、法人税減税の穴埋めとして『法人事業税の外形標準課税の適用拡大』を検討してきました。
 1895年、日清戦争後の大増税で導入された外形標準課税は、売上高や従業員の頭数に課税したため「人頭税ではないか」と批判され、1926年に廃止されました。
しかし
1947年国税から都道府県民税に移行して復活。法人事業税をすべて外形標準課税にする方針には反対者が多かったため、資本金1億円超の企業に限定しました。現在、資本金1億円超の大企業は、24000社。統計によれば大田区内では257社です。大田区内全企業は12133社ですが、残り11876社に仮に外形標準課税を適用すれば、赤字の中小企業にも課税できるため計り知れない痛手となり、大田区の産業振興と地域経済活性化に逆行する政策となります。
 政府は倒産件数が減っていると述べていますが、それでも2013年度東京の企業倒産件数は2253件、負債総額72606600万円。原因は販売不振など不況型が1972件と全体の87.5%。このうち1894件は破産です。大田区で負債額1000万円以上の倒産企業数は昨年度71件、従業員数578名。2014年は9月までで59件です。特にこの9月は10件も倒産があり、前年同月比400%増という結果でした。この他に廃業した企業も多いのです。
 日本商工会議所、全国商工連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会は連名で「外形標準課税は、従業員の給与に課税することから雇用の維持を困難にする」として、中小企業への適用拡大廃止を求めてきました。
「事業税の外形標準課税が拡大は、膨大な滞納を招き、中小事業者の生存権を奪うことになりかねない」と警告する専門家もいるように、自治体の安定的なはずの財源は、中小企業の危機的な状況の前に安定財源どころではなくなるのです。区民や多くの事業者が営業利益をあげることが、地方財政の豊かさと健全化を作るのではないでしょうか。総選挙を前に政府は資本金1億円以下の中小企業へは、配慮と表現していますが、日本一の中小企業のまち大田区は、その誇りをかけ事業者、区民を守るため、見送りや配慮ではなく絶対に導入させない意気込みを示すべきです。
今後適用拡大によって区内の中小事業者に及ぼす影響について区はどのように試算しているの。中小企業のまち大田区として、国に廃止を進言するべきと考え、質問で取り上げました。

当面見送る政府ですが、当面ではなく適用拡大をさせないよう取り組んでいかなければなりません。

 

 

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2013年度決算について

2015.01.29

議会では各年度の決算審査を行いますが、2013年度一般会計決算には反対しました。

●空港跡地を成長戦略拠点に活用したいとするまちづくりについて
国家略特区の特別区域として大田区が定められたとはいえ、インフラ整備など自治体の範疇を超える膨大な税金の投入が見込まれ、将来に安心が保てるか。区民の声を今まで以上に聞いてこそ、民意が反映される。

●2013年度、歳入決算額2406憶3094万円に対し、歳出決算額は2258億2545万円
景気が決していいとは言えない現状で事業執行率を高めるべきだった。

大田区では2013年3月から1年間で5729世帯、5881人の人口が増えました。特別区税の歳入決算額は当初予算より22億円余と若干増えましたが、不納決損額も4憶6911万円余と過去3年間で最も多くなり、区民の厳しい実態も垣間見えます。自主財源は当初見積もりより0.7%少なく、依存財源が増えた中で私が最も驚いたのは株式等譲渡所得割交付金や配当割交付金の増加でした。

安倍首相が掲げた大胆な金融緩和の影響は、株式等譲渡所得割交付金で、収入率対予算1304.6%、配当割交付金も209%と大幅な伸びとなったのです。株価の上昇と企業収益の拡大による収益を区の財源として導入した平成16年以来、見たことのない数字が並んでいたのです。それは、東京都が株式等譲渡所得割交付金について今年度の都区財調に、対前年比765.5%の当初見込みを示していることにも表れています。

日銀は、アベノミクスを支えるため指数連動型上場投資信託ETFを買い入れてきましたが、今年8月、ETF市場を通じて1236億円というかつてない日本株の買い支えを行ない、現在、東京証券株式所の株式の時価総額の1.5%にあたる7兆円分の日本株を保有していると指摘されています。大企業の株主になることを禁じられている日銀は、投資信託で購入し株価に影響を与えてきましたが、商品の売買という実態感が少なく、町工場の方々が景気は良くなっていないと語るのも無理はありません。この度の決算に一部企業、一部株主への恩恵がこれほど明確に表れている一方、景気がいいと語る人はごくまれです。ものづくりの中心地・大田区にとり、加工した製品が市場で取引される確かな実態が維持できなければ、一層厳しい現実と向き合わなければならないことは明確です。

内閣府は景気の基調判断を下方修正。更にアベノミクスを支えてきた日銀も成長率の見通しを現行の1%から0%台へと下方修正する検討に入ったのです。先行きに不安が残る中、消費税引き上げで買い控えが商店街にも影響を及ぼしております。

区民に最も身近な自治体として優先すべき政策は、どこにあるのか。それは区民の日常生活を継続して支えることであり、区税はまさにそのためにあると考えます。

●未来プランについて

2013年度は、未来プラン前期5年最終年度にも関わらず「総合防災力の強化や、待機児童対策の充実等、緊急に解決すべき課題、早急に検討を進めるべき新たな課題等に対応する」として計画事業費を240億円に縮小しました。

9つの個別目標のうち最も執行率が低かった目標は、以外にも「子ども」の46億円で、執行率81.9%だったのです。子どもには様々な計画事業がありますが、区民が最も関心を寄せる待機児童対策の充実は執行率90.1%でした。

区は「大田区待機児童解消対策本部」を2009年から立ち上げ、2年間で958名の対象枠を拡大、2011年から3か年で1000名の目標に対し1320名と大幅に拡大し取り組み、この点は評価いたしますが、それでも待機児解消が追い付かないという現実に直面しております。緊急課題である待機児解消は、区の想定以上に厳しい現実があることを踏まえた対応が求められます。

 

また、未来プランの主な事業の捉え方が十分ではなかったのではないでしょうか。後期プランでは箱だし事業を追加するなどの見直しが示され、更に基本目標計画事業費を一般会計の一割から、後期プランでは倍の2割を超える額と改定しました。これは、区全体の事業計画の重点をどこに置くか見直した結果だと思います。ただし、事業費を前期の2倍以上に増やしたということは、区長の政策的経費を増やしたことであり、既存事業など経常的経費の継続性はしっかりと担保されるのでしょうか。5年計画でさえ見直すこともある変化が激しい時代です。最優先をいつも見据え区民生活の安心に応える事業を望みます。

●不用額について
款別で不用額率が最も高かったのは、総務費でした。各所管の事業について精査したであろう所管において8.83%、29億1581万円の不用額。このうち12億円余は土地開発公社の購入物件が少なかったためですが、子ども施設などの契約不調や入札不調などもあり懸念されます。円安による資材の値上げなど、この不用額は他の部署でも見られます。

教育委員会でも12億円余の不用額がありましたが、質問でも取り上げましたが、全ての子どもの安心安全の通学のため、私立へ通学する児童であっても希望すれば防犯ブザーを貸与できるようを検討すべきです。

伊豆高原学園のPFI事業についてひとこと述べます。伊豆高原学園は大田区で初めてのPFI事業でした。私は40億3502万8253円という多額の経費、毎年1億1071万円を払い続け、更に15年間の指定管理という内容に議員として明確な根拠を見つけることができないと反対しました。現在建設中ですが、地理的に遠く簡単に足を運べない施設建設において、大田区の建築職を常駐させるなど事業対応すべきだったのではないでしょうか。今後は是非対策を求めます。

●専門職の採用など職員の人材育成について
予算の討論でも述べましたが、保健師、保育士など専門職の果たす役割は、これまで以上に重要です。経験ある職員が若い職員を指導して、事業をしっかり継承させ区民が支えられています。経験を踏まえた的確なアドバイスが職場という一つの集団を形成するうえでも重要です。また、保育所や児童館の民間委託が進んでおりますが、事業者選定においても委託後の事業運営でも、経験ある専門職が事業者と向き合い長所や課題等を把握できるから役所に代わって運営を任せてきたのではないでしょうか。幼稚園廃止の時と同じ道を歩まないためにも、保健師、保育士、児童指導など専門職の計画的な採用に取り組んでいただきたい。特に児童指導の最低年齢は40代を超えてしまい過去20年近く採用しておりません。全ての児童の放課後対策を充実させることは、地域にとっても大きな財産であり、正規職員の指導は重要です。

更に、建築主事の育成も重要です。まちづくりが重要性を増す中、建築確認申請や違反建築の指導など特定行政庁として大田区が機能していくため、建築主事の資格を持つ管理職の育成は十分取り組んでいるのでしょうか。

建築主事がいないため東京都の派遣に頼るなど都下の自治体の現状を聞くにつけ、懸念します。

大田区の各所管において必要な専門職の確保と職員を大切に育成するよう再度求めます。

●国保会計について

後期高齢者支援金の負担が重く、一般会計の繰り入れをはるかに超える96億円余となりました。そもそも体力が落ちて医療を受ける確率が高い高齢者を、後期高齢者などと分離した医療制度が矛盾しています。過去三年間の後期高齢者医療歳出額も増え続ける一方です。国は、医療改革に取り組むとして診療報酬など様々な見直しに着手し、最後の領域が精神の分野でした。入院ではなく地域で生活の方向性が示された医療改革は、精神障害のある方々のグループホーム整備を病院併設型として提示しました。区は、区内の医療機関としっかりと連携し体制を整備してほしいものです。

●介護保険事業について

介護保険制度に予防事業を含める矛盾について質問で取り上げましたが、制度が複雑化し、介護現場の事務的業務量が増加し、直接サービスの時間が削られる実態の改善、居場所により給付が異なる非合理性など改善点は多々あります。介護職に就きたいと思う多くの若者は、高齢者と暮らした経験や人間が大好きで資格を取った方など思いに溢れていますが、離職率をどうしたら抑え、継続した雇用につなげることができるか、若いヘルパーの声を区が直接聞き取る機会を作って欲しいものです。

今回、社会福祉協議会と社会福祉法人など公益法人が連携しての基金創設やボランティアの活用など提案させていただきました。制度が多様化しても地域で暮らす高齢者はここにいるのです。安心して老いることができると思える大田区の姿勢を示すことが、若者の安心もつながります。

 

 

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