発達障害児の通級と送迎

2010.11.21

 第3回定例区議会で「発達障害児の送迎に関する陳情」が、全会一致で採択された。

 通級児童は、保護者の送迎が原則だが、家庭の事情で必ずしも保護者が送迎できないこともある。そのため、「児童の状態を相談しながら、一人で通うこともできるようにすること」、或いは、「保護者が病気等で送迎できないときには送迎支援を受けることができるようにすること」の2点を認めて欲しいという内容の陳情が提出されたが、子ども文教委員会で議論され、採択されたのである。

 それからひと月後の11月17日、教育委員会の定例会を傍聴していたら、この陳情に関する報告があった。

「教育長決定で、実施する」とのこと。保護者がずっと待ち望んできた事案だが、決断と取り組みの速さに驚いた。

 学級担任は、クラスの子どもの無事を心配するから、「一人で通級しても大丈夫だろうか」という議論が、学校現場全体にあったのではないかと思う。でも、1年、2年と通いなれ、独り立ちしていく児童の様子を見ていると、そこに信頼も生まれてくる。教育委員会と学校現場が議論を経ての結論だと思うが、やがて大人になり、社会の荒波にもまれながら生きていかなければならない子どもたちだが、一歩を踏み出すことになるだろう。

 北海道大学付属子ども発達臨床研修センター所長の田中康雄先生は暖かい語り口で話してくれた。

「発達障害とは生活障害である。子どもは、自らの発達障害に困っているのではない。思うようにいかないことに悩んでいるのだ」と。

「大人や社会は、発達障害の子どもたちを支援すること。支援とは、育ちを見続けることだ」と。

そして「支援する組織形態は、しなやかで即興的で、かつ柔軟で流動的な協働が求められる」と。

 超多忙な田中先生の9月18日の講演を池上会館で実現させたのは、区内の保護者の方々。その思いが、子どもたちの育ちを支えてきたのだと、思い起こされる。

 発達障害児が楽しく生活していくために、地域の暖かい触れ合いが大切だ。

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