ふるさと納税の課題               大田区特別区税条例の改正・・・反対しました

2019.05.29

この度の改正には住宅借入金等特別税額控除の適用要件の緩和、期間の延長などの見直しも含まれこの点は賛成ですが、ふるさと納税制度改正に賛成できず反対しました。

そもそもふるさと納税は寄付金控除の特例であり、これを納税と呼ぶことは税の本質をゆがめます。
国は社会保障財源の確保のため消費税増税を推し進めるとしていますが、一方で所得税の一部がふるさと納税で目減りすることを何故良しとするのでしょうか。

2007年、大田区議会は全会一致でふるさと納税という新たな制度で東京富裕論に基づく税財政制度の見直しを行わないよう国に意見書を提出いたしましたが、大田区の住民税はふるさと納税により減少し、2016年度7億4000万円余から2018年度は約19億円の減収など安定的な住民サービスの維持を損ねる制度であることは明確です。

この度の改正で返戻割合3割以下、更に地場産品に限るなどが規定される新制度は、自治体から総務省に申請して指定を受けなければ税制優遇はうけられません。
更に高額返戻品を実施している4自治体を外す総務省の行為、地方交付税の権限を握る総務省の行為が果たして民主主義といえるのでしょうか。
実質負担額2000円を除いた全額が控除対象のふるさと納税は高額所得者に対する一層の優遇という指摘もあるように、税負担の公平性に反します。

この2月世田谷区は2018年度税収が41億円も減収し、行政運営に支障をきたすと発表していましたが、結局自治体間で税を奪い合い、本来子育てや高齢者支援などに使えるはずの税が返礼品や、ふるさと納税の宣伝経費として支出されます。返礼品は本来国や自治体に入るはずの税ですが、条例の一部改正をしてふるさと納税を存続させることは課題の先送りであり、自治体の本来の機能を弱体化させます。いっそ寄付金の上限を設定するなど対策を講じなければ住民税の減少に歯止めはかけられません。

一方、社会福祉法人や公益法人では、寄付金控除は適用されるものの、自治体に優遇される返戻品などがないため寄付が集まりにくく、これまで地道に地域社会の弱者支援などに貢献してきた団体にとっても影響があるそうです。

ふるさとを応援したいという素朴な人間の思いと、今住んでいる自治体への思いが寄付によって相反する結果となるような制度。
そしてこの度の法改正は地方自治とは何かと改めて考えさせられました。
受益と負担という地方税の原則を逸脱し、自治体の競争をあおる制度へと加速させるこの制度を、ふるさとを応援したいというまっとうな形へ、そして公平・中立・簡素という税の3原則に立ち戻るために自治体から、議会から声を上げていくことを求め、反対討論を行いました。

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